Storyで紡ぐたび

もののあはれ中南勢ものがたり

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    なぜこんな場所に石仏が…!

    石山観音のあるのは、津市芸濃町楠原字石山。住所に「石山」とつくのでお分かりかと思うが、この辺りは押し上げられた地層が、風雨で浸食されつつ石山となった土地である。

    そんな場所になぜか作者や時代の違う石仏が40体ほどもある。しかもそれらは、石をくり抜き“彫り付けられている”。

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    すごいッ!と感激していると、同行してくれた芸濃ふるさとガイド会の古市さんが「こういう仏像を「磨崖仏(まがいぶつ)」といいます。石山観音では長い年月にわたってその都度作られていったため、仏像の姿も彫刻の仕方もバラエティに富んでおり、表情も雰囲気もそれぞれ違っているのが最大の特徴なんですよ」と教えてくれた。

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    寺の本堂から見上げられる位置にあった

    そこで、どうしても思ってしまうのは、なんで?誰が、なんのために??ってことだ。
    そのヒントはおそらく「阿弥陀如来立像」にある(と思う)。

    この像は台座を含めると5mにもなる巨像である。石山の観音様の中でも最も古く、鎌倉末期の彫刻の特徴があるそうだ。
    人が真下から像を見上げられる程度のスペースはあるものの、わりと断崖絶壁の場所である。

    …こんなところにこんなもの作るなんて、何か意図があるに決まってる(笑)!

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    聞けば、戦国時代まで浄蓮坊という寺が谷向こうにあったとか。

    古市さんによると「浄蓮坊の本堂から阿弥陀様をお参りできるように作られたと言われています。朝日を浴びる阿弥陀様は、それこそ後光のように輝いてみえたことでしょうなぁ」。

    なるほど、ここに暮らす人たちにとっても、天から見守っていてくれる観音様の姿はきっと心の拠り所であったに違いない。

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    西国三十三ヵ所めぐりが1時間で!

    面白いのが、ここの石仏のあるコースをぐるっと回ると、近畿から岐阜までの「西国三十三ヵ所めぐり」ができるところ。

    三十三ヵ所の観音菩薩像を巡ると、現世で犯したあらゆる罪業が消滅し極楽往生できるとされますよ。
    江戸時代には観音巡行が庶民化したそうだが、それを一か所に集めてしまおうという実にコンビニエンスな発想がいい。

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    「流行したとはいえ、なかなか行けませんからね」とガイドさんも言っていたけれど、きっとこのミニチュア版も山あり谷あり絶壁ありの場所に作って、ありがたいご功徳を得ようとしたのではないか。

    うーん想像が止まらん!楽しすぎる!

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    旅を楽しくするボランティアガイド

    それにしても、この旅で一番よかったのはガイドさんに案内してもらったこと。

    ボランティアガイドの会は5年前に結成され、平成28年3月時点で、メンバー29名。

    発足した当時は、石山観音について何も知らない状態だったが(そもそも現存する資料が殆どない)、実際に何度も山に入り勉強会を開いて、ひとつずつ石仏に刻まれた謎を解明してきた。

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    「知れば知るほど面白くなるし、もっと掘り下げたくなります。石山観音さんのおかげで私たちも第二の人生を謳歌していますよ」と古市さん。

    確かに、ここのガイドさんたちは、当然ガイドもしてくれるのだが、とても純粋に“楽しんでいる”のがとっても素敵だ。

    「天気によっていろんな表情になるのが磨崖仏の魅力ですよね。今日はね、今まで見たことのないくらいいいお天気で、これもまたいいですね!」。

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    やはり、旅はこうあらねば。

    石山観音はまず1度はガイドさんと登ってみてください。同行者あれば、旅はなお楽しくなるから。

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    すごいッ!

    ~写真で紡ぐたび~

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      まるで草をはむ馬の背に見える…ということから名付けられた「馬の背」。ココと「東屋」から見る景色はとても気持ちいい!「東屋」は初日の出が拝める穴場スポットだとか。

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      日の当たる場所では、残念ながら風化が進んでいる。コーティングしているそうだが、十年後は違った姿になっているかも…そうなる前に今、ぜひ行ってほしい!!!

    • すごいッ!

      どうやって彫ったのか!?と驚く断崖絶壁にある磨崖仏。まず自分が彫れるスペースを確保するまで掘り進めてから、観音様を彫ったのか。

    • すごいッ!

      写真ではスケールがつかみにくいですが、目の前で見ると本当に素晴らしい!彫りあとを見ながら、当時の石工さんの作業の様子を想像するのがまた楽しいです。

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  • す

    すごいッ!

    コンシェルジュからのおすすめのポイント!

    すごいッ!

    コンシェルジュ
    芸濃ふるさとガイド会 古市悦雄さん

    石山観音を個人で回られる方の中には、公園口の2体の観音様を見て帰られる方もいらっしゃるんです。
    それは本当に残念なんですよ。もっと奥に行って、コースを巡ってみたら、絶景の展望場所(東屋)もありますし、また駐車場の下のところにもトンネルの壁面に磨崖仏があります。
    1時間ほどあればまわれますので、ぜひ観光ガイドと一緒に回ってみてください。面白い魅力が発見できると思いますよ。観光ガイドのお申し込みは津市芸濃総合支所地域振興課(059-266-2510)までお願いします。

    スポット概要

    石山観音

    スポット
    石山観音
    住所
    津市芸濃町楠原
    TEL
    059-246-9020( 津市観光協会)
    FAX
    059-221-0811( 津市観光協会)
    車でのアクセス
    名阪国道「関IC」から車で約5分
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