Storyで紡ぐたび

もののあはれ中南勢ものがたり

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    内宮に似た清廉なる佇まい

    瀧原宮は、伊勢神宮内宮(皇大神宮)の別宮であり、祭祀や祭神などで正宮と特別な関係にある神社。正宮についで尊い御宮と言われ、古くから「大神の遥宮(とおのみや)」と呼ばれている。(地元では、この地を指して「野後(のじり)さん」とも呼ばれているらしい)。

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    御手洗場で手水を清め…

    さて、大駐車場のある「木つつ木館」から歩くこと600m、伊勢神宮と同じ鳥居が見えた。やわらかい日差しが、鳥居の前を明るく照らしている。

    ところがそこから先は、うっそうとした森が続き、薄暗い道が一本、奥へ奥へと続いているばかりだ。鳥居とは、現世と常世との境界を示す門とも言われるが、まさにそんな感じの風情である。

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    歩みを進めると、「御手洗場(みたらし)」の看板が見える。その先にも手水舎はあるが、ここではぜひ古来の作法に従ってみてほしい。脇に流れる頓戸(とんど)川に下れば、そこが御手洗場だ。澄んだ水をすくい、手や口をすすいでみる。
    とても暑い日だったが、ここはとても涼しく、実に清らかな気分。ふう~、気持ちイイ!

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    社殿から感じる圧倒的な存在感

    なだらかな坂になっている参道から境内に入ると、突然目の前が明るく開けた。社殿は、少し高いところに建っており、まるで舞台のようになっている。「わあ…」「すごーい」圧倒的な存在感に、あちこちから感嘆のため息が聞こえてくる。

    そこには式年遷宮を終えて美しくなった神明造りの瀧原宮(たきはらのみや)と瀧原竝宮(たきはらのならびのみや)が並んでいた。中央には樹齢7、800年は超えようかという立派なスギの木が、ふたつの社を守るようにそびえ、頓戸川からは清廉な空気が流れこんできていた。

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    この何とも言えない空気感は何だろう。
    「感じ方は人それぞれですが、社殿や自然などあらゆるものから、何かを感じることが信仰につながります」というのは、神宮司庁広報室の音羽さん。そうか、神社と言えば参拝するだけ、じゃない。こうやって、感じる愉しみもあるのだな。

    古来、森や山そのものが神社だったそうだから、自然から何かパワーのようなものを感じるのは、あながち間違いではないのかもしれない。

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    日本のこころとは、慎み深い感謝の心

    バスツアーのご婦人が、足元の階段のコンクリート部分から木の根っこが飛び出ているのを見て「あら、すごいわね」と言った。自然の生命力を前にとても謙虚な気持ちになる、これが神社のいいところなのかも。

    「参拝の作法は二拝二拍手一拝と一般に言われていますけれど、それよりも感謝の気持ちを伝えることが大事なのですよ」。

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    慎みの心こそ日本のこころ

    古代から連綿と続いてきた道の奥深さを思い、静かな気持ちで手を合わせた時、私たちは、とても満ち足りた気持ちになる。

    さあ、大いなる自然の前で、日々の感謝を伝えよう。スタートボタンを押すように、また清らかな自分にリセットできるから。

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    日本のこころ

    ~写真で紡ぐたび~

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      瀧原宮の鳥居は「神明鳥居」といい、伊勢神宮で最初に建てられた形式。柱は丸材で、地面に垂直に立ち、笠木はそりがなく水平に渡されているのが特徴だ。

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      本来、手水をとるのは禊を簡略化したもの。伊勢神宮の内宮でも、昔は五十鈴川に入っていた。

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      社殿は素木(しらき)を基調とした「神明造り」。稲などの穀物を収める倉庫が神殿に発展したものだ。式年遷宮を終えて、まばゆいばかりの美しさ。

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    コンシェルジュからのおすすめのポイント!

    日本のこころ

    コンシェルジュ
    神宮司庁 広報室 音羽さん

    瀧原宮、瀧原竝宮は、ともに皇大神宮(内宮)の別宮で、昔から「大神の遥宮(とおのみや)」といわれています。ご鎮座の地は宮川をさかのぼること約40km、その支流大内山川が深い渓谷をなして流れる山間にあります。
    伊勢神宮では、平成25年秋には1,300年、62回目の式年遷宮が行われました。瀧原宮はいつから式年遷宮が行われたかわかっておりませんが、おそらく同じように行われているのではと思います。瀧原宮は内宮に似た佇まいがあり、自然とあいまってとてもすがすがしい気持ちになれますよ。森の深い場所にある、美しく清らかな瀧原宮へぜひお越しください。

    スポット概要

    瀧原宮

    スポット
    瀧原宮
    住所
    度会郡大紀町滝原
    休館日等
    なし
    料金など
    無料
    公共交通機関でのアクセス
    JR「滝原駅」下車徒歩約20分程度、三重交通南紀特急バス停「瀧原宮前」下車すぐ
    車でのアクセス
    紀勢自動車道「大宮大台IC」よりR42を尾鷲方面へ約10分
    駐車場
    100台
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