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小津邸跡に建つ『小津安二郎青春館』は、青春時代の彼を偲ぶ小さな記念館だ。展示されている父への手紙ひとつ見ても、教育熱心と思われる母が、子どもたちに勉強を兼ねて父への手紙を書かせている様子が透けて見える。
面白いのが、小学生時代の絵や作文だ。幼い頃からその才能の片りんを見せる、リアルすぎる描写。観察眼・表現力、美術的なセンスに優れ、同時にとんでもない集中力も持っていたことが、充分に伝わってくる。
「安二郎の映画は、家族愛をテーマにしたものが多いので、父にあてた家族の手紙や小学校時代に描いたデザイン画、日記などを中心に、安二郎本人の性格や家族との関係が分かるような展示にしているんです」と館長の佐野洋治さん。なるほど、確かによくわかる。 -
コンシェルジュ
館長 佐野 洋治さん小津安二郎監督は、9歳で松阪に住まいを移し、青春時代の約10年間をここで過ごしました。
彼の永遠のテーマとなった「家族愛」は、松阪での生活や体験が切り離せないものです。
青春館は、監督の思い出の品々や写真で当時を再現し、第二・第三の小津安二郎を輩出させたい、との思いから開設されました。
映画ファンのみならず、どなたもぜひお立ち寄りください。