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参拝客には進んで施行(せぎょう)
伊勢街道沿いにあるこの屋敷ならではのエピソードもある。江戸時代、伊勢へのおかげ参りが爆発的な流行となり、伊勢街道には、伊勢へ向かう人、帰る人であふれ、着のみ着のまま出てきた人もいたため、小津清左衛門の屋敷の傍にある松阪大橋の下には金もなくおなかをすかせて座り込む人たちでごった返していた。
松阪の人たちは、もともと信心深く、伊勢まいりの人を大切にもてなして施行に励んでいた。仏教の道ではそれが徳を積むことだとされているからだ。施行を求める人は、手に柄杓を持つ人もいて、そこに食べ物やお金を恵んでもらう。施行されるほうもみじめさはみじんもないし、するほうも喜んでするのだ。 -
コンシェルジュ
松阪商人の館 館長 春多常さん松阪商人の歴史を訪ねるなら、観光協会の推奨する「三井高利コース・豪商の道」ルートがおすすめ。松阪駅からスタートして「松阪商人の館」「三井家発祥の地」「旧長谷川邸」「本居宣長旧宅跡」など14スポットを徒歩で2時間でまわれます。途中、「松阪もめん手織りセンター」では、松阪木綿の機織り体験もできますので、ぜひ挑戦してみてください。まち歩きに関することは、駅構内にある松阪市観光情報センター(0598-23-7771)で情報を収集できます。