Storyで紡ぐたび

もののあはれ中南勢ものがたり

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    うちにはあずきがあるじゃないか!

    「あずきバー」の井村屋は、明治29年(1896年)、ようかんなどを製造・販売する和菓子屋としてスタート。戦後まもない昭和22年にはアイスキャンデー事業を開始し、和菓子から様々な食品分野へ羽ばたこうとしていた。

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    ところが、ほどなくして他社商品が大ヒットし、井村屋もバニラ味の新商品を発売して巻き返しを図ったが、コストや生産性などの面でどうにも行き詰まってしまった。このまま他社と同じような商品を作っていても勝ち目はない。途方に暮れた社員を前に、社長が放った一言「うちにはあずきがあるじゃないか!」…そう、これが「あずきバー」誕生の第一声だったのである。

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    あずきバーの美味しさの秘密

    ところで、あずきバーはカチカチにカタいために、「何とかやわらくしてほしい」という声が多く寄せられていた。

    しかし、そこだけは絶対に譲れないあずきバーの生命線。やわらかくする方法もわかっているが、添加物を使わない自然でやさしい、口の中で溶けたときの味の広がりにこだわっているからこそ、このかたさなのだ。

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    「だから、あえてカタいことをアピールしようと。カタさは美味しさや安全性の証ですから」と経営戦略部長の岩本さん。

    これをカタくなに貫いたおかげで、「カタいのが持ち味」…今ではそう言われるまでになったのだ。

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    プレミアムな味「ゴールドあずきバー」

    あずきバーは2013年に発売40周年を迎え、誰もが認める不動のロングセラー商品に。2015年春には「大人向けのリッチな定番菓子」のブームに乗って、北海道産大納言小豆を使った「ゴールドあずきバー」を発売し、話題となったばかりだ。

    開発の苦労を尋ねると「もともとあずきバー自体が完成度の高い商品なので、そこをどうやってランクアップするかが難しいところでした」と何とも正直な答え。確かに、あずきバーは完璧すぎるもんなァ…。

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    そうはいっても、あずきの王者・井村屋。そこは期待を裏切らない。スタンダード版より、あずきのボリューム感もあり、甘さも控えめ(食べた後ものどが渇かないぐらい後味スッキリしている)。
    お菓子の甘さがキツくなってきた世代には、ちょうどいい味わいに仕上がっていた。驚きの変化は、まだまだ続きそうだ。

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    創業者の「もったいない」がお菓子に

    津市には、他にもよく知られている国民的「お菓子」がある。それは…おやつカンパニーの「ベビースターラーメン」だ。

    この商品は、今から半世紀以上も前の1959年、味付き中華麺(広東麺)などを製造していた松田産業の創業者・松田由雄のアイデアから生まれた。蒸したラーメンを竹網に並べて天日干しする麵の乾燥工程で、残ってしまうかけらを見て、「もったいない」と袋に集めて味をつけて揚げ、従業員や近所の子供たちにおやつとして食べさせたのがきっかけだ。

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    それが大好評だったことから、そこまで人気があるならと商品化。ちなみに、この味付けは現在と大筋変わっていない、というのがスゴイ。料理好きでアイデアマンだった創業者だからこそ、生み出せた商品といえるだろう。

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    「すっごく美味しい」子どもが市場を動かした!

    ところが、地元の問屋は意外にも、この大発見に拒否反応を示した。ラーメンのスナック菓子という商品が斬新すぎて、確かに美味しいが売れないだろうという理由だった。
    そこで、名古屋の菓子問屋へ持っていき、頼み込んで試しに置いてもらったところ、好奇心旺盛な子どもたちの目に留まり、瞬く間に人気となった。

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    「まさに、お子様に育てていただいた商品なんですよ」と広報の諸岡さん。

    「発売当初は“ベビーラーメン”でしたが、1973年には“ベビースターラーメン”に名称を変更しています。これは、子どもたちの中で、お菓子の一番星になってほしいという願いが込められているんです」。

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    ブランドイメージを高めるためパッケージを変更

    一番星になる…その名の通りに飛躍するきっかけとなったのは、1988年の大胆なパッケージの変更だ。
    長年親しまれ、広く認知されていたデザインをきっぱり捨て、ベイちゃんというキャラクターを据えた全く違うパッケージへのチェンジは、会社としても、賭けだったはず。

    店舗の照明を意識してより映えるようにと袋は白をベースに。味の違いをキャラクター(ベイちゃん)の衣装を変えることで視覚的に認識しやすく、楽しさや世界観も表現することが可能に。結局、この英断によって、田舎の駄菓子から「ブランド」として一皮むけさせることに成功したのだ。

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    不味かった試作品は子どもの好きなアレ!

    現在、定番品(チキン、ソース、うましお、鶏ガラしょうゆ)のほかにご当地商品、期間限定商品、コラボ商品など数知れず。試作品の数は「思いつくメニューならすべて試作しています」と言うほど、研究を重ねている。

    「子どもたちの要望も取り入れていろんな試作をしましたが“サイダー”“コーラ”“ビール”はダメでしたね(笑)。炭酸のシュワシュワ感まで再現した力作でしたが、麵には合いませんでした」。

    試行錯誤を重ねて、ベビースターラーメンというブランドは、今も美味しく面白く成長している。

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    ベビースターラーメンのおすすめアレンジ

    面白い食べ方を聞いてみると、
    「私のおすすめは、ベビースターを少し砕いて、ごはんにまぜておにぎりにする“ベビースターおにぎり”。もともと鶏ガラ&醤油ベースの味付けがされた商品なので、ごはんとも相性がいいんです」。

    なるほど!と、いうことでチャレンジしてみると、食感も面白いオイシイおにぎりが完成。他にもサラダのトッピングにしたり、お茶漬けにしたりといろんなアイデアがあるのだそう(※料理のアイデアはおやつカンパニーサイト内でも紹介されています)。
    いつでも飽きさせない定番の味、ベビースターラーメンは永遠に私たちの一番星だ。

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    お菓子秘話

    ~写真で紡ぐたび~

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      <あずきバー>
      あずきバーはカタい。何故カタいかというと口の中で溶けたときの味の広がりにこだわっているから。極めて純度の高いあずきあんの塊だから「温めるとぜんざいになる」のだ。

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      <imuraya Sweets Shop irodori>
      近鉄津駅構内に「imuraya Sweets Shop irodori」をオープン。お馴染みの井村屋商品のほか、東京でしか買えないアンナミラーズやジュヴォーのスイーツが購入できる。

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      <ベビースターラーメン>
      ラーメンがラーメンスナック(ベビースターラーメン)に、フランスパンがパンスナック菓子(フランスパン工房)に変化したように、「食品の菓子化」はおやつカンパニーのテーマとなっている。

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      <ベビースターラーメン>
      三重県限定のお土産は「伊勢海老」「伊勢うどん」味。麵の形状、味のバランスなど常にベストをさぐり、特色を出している。

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    お菓子秘話

    コンシェルジュからのおすすめのポイント!

    お菓子秘話

    コンシェルジュ
    ライター宍戸さん

    国民的お菓子「井村屋のあずきバー」「おやつカンパニーのベビースターラーメン」が、ともに津市に拠点を置いているとは驚きですね!しかもその開発ストーリーもドラマチックです。
    残念ながら一般には工場見学を実施していないため(※)、津に来たら井村屋のもうひとつの顔、アンナミラーズのスイーツをお土産にいかが?近鉄津駅構内の「imuraya Sweets Shop irodori」で購入できますよ。
    三重にお越しの際は、ご当地味のベビースターラーメン「伊勢うどん味」「伊勢海老味」をお土産にぜひどうぞ!
    (※井村屋は一般への公開なし。おやつカンパニーは3歳から15歳のみ)

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    お菓子秘話

    スポット概要

    井村屋

    井村屋

    住所
    津市高茶屋7丁目1−1
    アクセス
    公式サイトをご確認ください。
    工場見学
    一般への公開はされておりません。
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    imuraya Sweets Shop irodori

    imuraya Sweets Shop irodori

    住所
    津市羽所町242 (近鉄津駅構内)
    営業時間
    平日 8:30~20:30
    土日祝 10:00~20:30
    お問い合わせ
    059-229-6288
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    おやつカンパニー

    おやつカンパニー

    住所
    津市一志町田尻420番地
    アクセス
    公式サイトをご確認ください。
    工場見学
    公式サイトをご確認ください。
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