Storyで紡ぐたび

もののあはれ中南勢ものがたり

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    注目の民泊で田舎体験

    いま、民家に宿泊する、民泊(みんぱく)が注目されている。
    旅館やホテルでは味わえない“田舎の親戚の家に泊まりに来た”ような気軽さがあり、宿泊しながら様々な田舎暮らしを体験できると人気なのだ。

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    映画『WOOD JOB』の舞台になった津市美杉町にあるのは、体験型の農家民宿「農家民宿なかや」。

    ここは、かつて伊勢参りの旅人が通った伊勢本街道の宿場町。宿は築90年以上あるという古民家で、昔ながらのかまども現役だ。体験自炊プランで、あの“羽釜のごはん”を炊くことができる。

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    美杉を気に入って移住を決意

    ずっとこの地に住んでいる人だと思っていたら、オーナーの岩田二三男さんは、10年前にやってきた移住者だとか。

    「50歳を前にこの先の人生を考えた時に、田舎でのんびり暮らしたいと思ったんです。家族は反対しましたけど、会社を早期退職して、ここに暮らし始めました」。

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    便利で安定している快適な都会暮らしから、右も左も分からぬ土地での不便で不安定な田舎暮らしへ。男のロマン、といえばカッコいいが、あまりにも無謀。幼い子を抱えた奥さんがどんなに反対したか、同性ゆえに容易に想像できる。

    …でも、この人は、器用でも商売っ気もない代わりに(すいません)、とてもこの地域を愛していて、何か役立ちたいと常に考えているような人だ。

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    出回っているパンフレットの紹介文には、あれもこれもできる~と書かれているので、とんでもない凄腕の匠のように思われるかもしれないが、そうじゃない(すいません)。

    ただ、挑戦しながら、失敗しながら、夢を見ながら、それを何ひとつ隠そうとしない姿が、嘘がなくて好感がもてる。きっとそれが、愛される理由なのだろう。

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    『WOOD JOB』スタッフとの強い絆

    映画『WOOD JOB』との関わりについて聞いてみた。

    「原作を読んで、ずいぶん前から、これが映画化すればいいなと話していたんですが、それが実現するらしいと聞いて、何かで関われたらいいなと思っていたんです。そんな時、スタッフの宿として、撮影の2か月間、利用されることに決まりました」。

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    これも何かの縁、と感じた岩田さんは、宿代もほとんどなしで(!)寝泊りを提供し、ロケ地を廻り、必要なものがあれば探すなど、献身的なフォローをした。
    「その時の赤字が今響いてるんだけど…」と苦笑する岩田さんだが、あの時間は本当に楽しませてもらった、と満足そうに話す。

    映画完成後も、スタッフとは深い親交があるという。矢口監督がひとりで泊まりに来たり、現場スタッフが近くに来た際は必ず寄って挨拶しに訪れたり…民泊って、こんなふうに、もうひとつのふるさとができる貴重な体験だと思う。

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    旅をするなら面白い宿に泊まろう

    変な話、あるものならば、何でも体験できるのが民泊のいいところ。「○○やってみたいんですけど」とお願いすれば、とりわけ人のいい岩田さんが、お客さんを喜ばせようとあの手この手を考えてくれる。
    米の収穫?シカの角の印鑑作り?ロケ地めぐり?田舎への移住を考えている人にとっても、頼りになる相談相手になるはずだ。ぜひ、立ち寄ってみて。

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    田舎のおかあさんが出迎える宿

    「農林漁家民宿おかあさん100選」に選ばれた宿が大台町栗谷に2軒ある。
    「みくり」の中江美春さんと「川原」の川原清子さん… “ベスト・オブ・田舎のおかあさん”の称号にふさわしい、気配りと優しさ、周囲を溶け込ませる天性の明るさを持った女性たちだ。

    ともに「夢楽 憩いの館(栗谷地域活性化を図る会)」で地域のために活動する中心メンバー。大台町役場から「自宅を使って、観光客に地元の田舎料理を食べさせる民泊ができないか」と話があり、平成18年に県内初の「農林漁家体験民宿」として開業した。

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    アイデアと工夫で宿をもっと面白く

    手さぐり状態からのスタートだったが、もともとこのおふたり、不便な田舎暮らしでさえ、アタマを使って面白くしちゃうスーパー主婦。
    「みくり」には、ハンモックのある東屋や手作りの露天風呂(1人用)、ピザ窯、蜂の巣箱、変形自在のテーブルなど、すべてにおかみさんのアイデアが見られ、「川原」も手先の器用なおかみさんが、可愛い小物を作ってもてなす。

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    縁の下の力持ちである家族の存在も大きい。
    「みくり」には、おかみさんの構想をすべてその通りにしてしまう器用な旦那さんがいて、「川原」は娘さん夫婦が率先してリフォームを行ってくれるそう。愛着を持って手を入れる、足りないものは手作りで…そんな理想の暮らしがここにあり、人生を楽しんでいる人たちがいる。
    最高の環境以上に魅力的な、人生を豊かに生きている人たちのパワーは、やっぱりすごい。そばにいるだけで楽しすぎるのだ!

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    ここでの過ごし方は自分で見つける

    「ここではね、このゆったりした時間と自然を味わいに来てほしいから、私、何にもしないのよ」と笑う中江さん。(といいつつ、さりげなく手作りのそばまんじゅうが出てくる気配り…優しさに満ちてます)ゲームやおもちゃの世界で、すでに出来上がっている遊びしかしてこなかった子どもたちは、最初こそ自然にどう付き合うか戸惑っているものの、そのうち、目を輝かせて自然と格闘するようになるのだとか。

    「体験プログラムは便宜的に作ってありますけど、本当は自分で見つけるのが、最高に楽しい過ごし方なんですよね」…うーん、確かに!暮らしの達人は、遊びの達人でもあるのだなぁ!

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    大人も子供どもに戻ればいいじゃない

    今度来たら、子どもと一緒に川で石投げして、どっちが遠く飛ばすか競争したい。ハンモックを揺らして、ただゆっくりと寝てみたい。滝のほうまで探検したい。かまどごはんにも挑戦したい…どんどんとやりたいことがあふれてくる。
    大人だって、時には子ども時代に戻って、ワクワクを見つけにいかなくちゃ。それで、宿に戻ったらこうやって言うんだ、「ただいまー!おなかすいたよ、おかあさーん!」

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    民泊

    ~写真で紡ぐたび~

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      なかやの目の前にある「結城屋」が宿屋をやめることになり、このままではここを訪れた人たちの宿泊する場所がなくなってしまう、ということで民宿を始めた。地元の人は後継者が見つかってとても喜んでくれたそうだ。

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      家族で田舎体験をしに来た人、移住を考えてお試しで宿泊してみた人など、理由はさまざま。ホームステイ気分で利用できるのが人気の秘密だ。宿帳にも、楽しい思い出の記録を見ることができる。

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      「みくり」の前に流れているきれいな栗谷川を「マイリバー」と言って笑うおかみさん。ここの石は皆平べったくて、投げるのが楽しい。大人が歓喜して、何度も何度も石飛ばしをしてしまう、そんな場所だ。

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      環境はとにかくいい。何もない山の中、川のせせらぎが聞こえ、軒先には干し柿がぶら下がり、風に揺れている。おすすめは蛍の見える6月と川に入って遊べる夏。持ち込みもOKなので、誰にも気兼ねせず打ち上げ花火やBBQができる。

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  • み

    民泊

    コンシェルジュからのおすすめのポイント!

    民泊

    コンシェルジュ
    ライター 宍戸さん

    インターネットを見ていると、いろんな民泊の情報が載っていますが、やっぱり行かなくちゃその魅力はわかりません。というのも、民泊の楽しさって、結局は人とのつながりだから。
    もしあなたが、この地に知り合いがひとりもいなかったなら、まずは泊まってみてください。きっとあなたにとっての第二のふるさとになると思いますよ。

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  • み

    民泊

    スポット概要

    農家民宿「なかや」

    農家民宿「なかや」

    住所
    津市美杉町上多気1312
    ご予約・お問い合わせ
    059-275-0205
    利用料金
    公式サイトをご確認ください。
    駐車場
    4台(無料)
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    山里民泊「みくり」

    山里民泊「みくり」

    住所
    多気郡大台町栗谷1026-2
    営業時間
    IN 15:00 ~ OUT 10:00
    ご予約・お問い合わせ
    0598-76-1337
    公共交通機関でのアクセス
    JR紀勢本線 三瀬谷駅より車で25分
    車でのアクセス
    紀勢道 大宮大台ICから車で25分
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    体験民泊「川原」

    体験民泊「川原」

    住所
    多気郡大台町栗谷635
    ご予約・お問い合わせ
    0598-76-0598
    公共交通機関でのアクセス
    JR紀勢本線 三瀬谷駅より車にて30分
    車でのアクセス
    紀勢道 大宮・大台インターより30分
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